【全1巻おすすめ漫画】森田るい『我らコンタクティ』シュールさと宇宙への情熱がハンパない
こんにちは。
学生時代に漫画喫茶でバイトしていた頃はサボって漫画を読みまくっていたsasaki(@sasaki_holiday)です。
マンガ大賞2018第2位はセンスあふれる独特な作品でした。
「我らコンタクティ」は森田るいによる月刊アフタヌーンにて連載されたマンガ作品です。
全1巻とサクッと読めるテンポ感と裏腹に緻密なストーリー、独特な雰囲気、冒頭から完全に惹き込まれました。
今回は、元漫喫店員としてそれなりに多くの漫画を読んできた私がおすすめする「我らコンタクティ」の魅力を皆様にご紹介いたします。
【あらすじ】ごく普通のOLと町工場の同級生コンビが宇宙を目指す
この漫画は冴えないOL「カナエ」と工場で働く変わり者「かずき」が過去のある思い出をキッカケに宇宙で映画を上映するために奮闘するという一見ハチャメチャな内容です。
で、どんなストーリー??
ってなりますよね(笑)
けど、それ以上でもそれ以下でもないのです(笑)
ホントにOLと町工場の青年が大マジメに宇宙で思い出の映画を上映することを目指して奮闘するんです!!
そこに忘れかけていた情熱やロマン、そしてそれが人生に与える影響を改めて考えさせられます。
そして、目的に向かってがむしゃらに行動することのすばらしさを再確認できた作品でした。
カナエとかずきの関係性・宇宙を目指すキッカケ
こちらがこの作品の主人公であり、どこにでもいるようなOL「カナエ」です。
学生時代はクラスで中心にいるような女の子でしたが、現在は仕事には無気力な一般的なOLです。
一方、もう一人の主人公「かずき」は小学生の時から変わり者で現在は家の工場で働く独特な雰囲気を持った青年です。
この接点がほとんどない2人には小学生の時にある不思議な体験を共有しています。
それは一緒にUFOを目撃した
ということです。
この出来事をキッカケに「かずき」は宇宙で「カナエ」と観た映画を上映するために仕事の合間にロケットを密かに作り続けます。
そして、最初はお金目当てで「かずき」のロケット計画に乗っかろうとする「カナエ」でしたが、次第に本気でロケット作成にのめり込んで「かずき」の工場に通い始めます。
この一見、バカバカしいような目的に周囲の大人を巻き込んで、大人の純粋なロマンや情熱、人生を生きる意味に気づかされる作品なんです!!
では、実際に私が「我らコンタクティ」を読んで感じた魅力やおすすめポイントを紹介していきます。
魅力その①「カナエの無邪気さ」
気持ちいいくらいにカナエの無邪気さ・行動力が愛おしくなってきます。
画像にもありますが、ロケットの発射地である島に通うために船の運転免許まで取ります(笑)
冒頭でも紹介しましたが、当初カナエはかずきの開発したロケットで一儲けしようと考えていました。
それが、気が付いたら工場に通ってかずきと一緒に本気で宇宙で映画上映というバカげた夢に向かって必死になります。
その結果、その目標が生きている意味となりカナエの人生が輝き始めます。
そして、周囲の大人を巻き込みながらその熱意や情熱は伝播していきます。
こんなカナエの無邪気さが物語の後半になるにしたがってどんどん愛おしくなるから不思議です。
また、ところどころに現れるカナエの毒も見逃せないポイントですよ(笑)
そして、この作品は独特な絵のタッチで人によっては抵抗があるかもしれません。
しかし、この絵ならではのカナエが見せる表情が豊かで気が付くと完全に絵のことなんて気にならなくなっています。
ていうか、ハマっています(笑)
魅力その②「かずきの変わらない純粋さ」
小学生の思い出をキッカケに大人になっても本気で宇宙を目指す純粋さ
かずきは見た目通り、普段はボケーっとしていてどこか頼りない雰囲気です。
しかし、宇宙を目指すための技術や知識は圧倒的でカナエも口出しできません。
そして、不思議な性格でありながら一緒に宇宙を目指すカナエに対しては徐々に心を開いて、何気ない二人の会話にはクスっとなる場面も多々あります。
そして、本気で宇宙を目指して奮闘する姿はハチャメチャでありながらも、純粋に応援したくなる部分があります。
カナエにも言えることですが、この二人ってホントにどこにでもいそうな二人であるところが妙な親近感というかシンパシーを感じるんです。
そんなごく普通な二人が無謀な夢に向かって本気で努力する姿に感化されたり、嫉妬さえする人間が登場しますがその気持ちも共感出来ます。
きっと自分の周りを見渡すと一人はいるような人物がいるのではないでしょうか?
魅力その③「大人のロマンと生きる意味」
この作品はカナエとかずきだけでなく、彼らに影響される二人の人物の心情の変化も大きな魅力です。
先程紹介したように、カナエとかずきは純粋に夢に向かって奮闘します。
その姿は心に闇を抱えた二人の大人の心にも変化をもたらします。
まず一人目は、カナエとかずきが行きつけのお店のママ「梨穂子」です。
梨穂子はかずきの兄である「テッペイ」とのゆがんだ関係(不倫??)に葛藤を抱えつつ、その関係を断ち切れずにいました。
そんな梨穂子も無邪気な二人の姿に影響を受けて吹っ切れます。
結構、闇が深いシーンなんですが個人的にはかなり印象に残っているシーンだったりします。
そして二人目はその「テッペイ」。
当然、梨穂子との関係もありますがそれ以上に深刻なのは弟のかずきとの確執。
しかし、これもカナエの影響などもあって最終的には打ち解けます。
この辺の微妙な心理描写も実際に兄弟がいる方は結構グサッとくるんではないかと思います。
こんな感じで、かずきとカナエが出会って宇宙を目指すことをキッカケに周囲を巻き込みながらそれぞれの大人の生きる情熱だったりが広まっていく展開はぜひ作品を読んでみてください!!
流石、マンガ大賞第2位と思わせられる作品です。
「このマンガがすごい!2019」オトコ編1位を獲得した石黒正数「天国大魔境」が衝撃的な面白さ!!
SFマンガ好きなら絶対に読むべき1冊!!
まとめ
今回は、森田るい「我らコンタクティ」の感想と魅力をご紹介しました。
正直、独特な絵のタッチや空気感にとっつきにくい部分があるかと思います。
しかし、最後まで読み終えたあとには何とも言えない充実感とすべてのキャラが愛おしくなっているはずです!!
また、全1巻という手に取りやすさ、疾走感は読んでいて気持ちがいいです。
多くの漫画を読んできた私もここ最近読んだ漫画の中ではトップクラスに印象に残った作品なのでぜひ読んでみてください!!
◆大人の本気の情熱とロマンが1巻に集約された傑作
◆どこにでもいる人物がどこか愛おしい
◆何気ない会話や仕草がホントに魅力的
他にも全1巻で完結するおすすめの漫画を紹介しています。
【マンガ好きなら絶対にスマホに入れておきたいおすすめ漫画アプリランキング】
以上、ご精読ありがとうございました。