【ネタバレ考察】石黒正数『外天楼』ラストに訪れる衝撃の展開は必見の価値アリ!!

2018年9月9日Book, 漫画

こんにちは。
石黒正数さんの漫画は『それでも町は廻っている』しか読んだことがなかったsasaki(@sasaki_holiday)です。

前から気になっていた漫画『外天楼』をついに読みました!!

率直に言って、買って損なし大満足の一冊です!!

全1巻に詰め込まれた一見なんの繋がりもないようなショートストーリーがラストに向かって衝撃の真実に収束していく感覚は圧巻です。

というわけで今回はネット上でも非常に評判の良い、石黒正数『外天楼』を元漫喫店員の私が読んだ感想と考察を紹介していきます。

この記事では一部ネタバレを含んでいますが、概要・あらすじまではネタバレ無しなので安心してください。

『外天楼』の概要とあらすじ

まずは、ザックリと漫画『外天楼』をご紹介いたします。

概要

全1巻で完結の本作は9話の短編によって構成されています。

タイトルの「外天楼」とは作中に出てくる増改築を繰り返して迷宮のようになった奇妙な集合住宅の通称です。

本作ではこの「外天楼」を中心に一見何の関係もないように思えるいくつかの事件(日常)がギャグタッチで描かれています。

そして、秀逸なギャグに笑わされながら読み進めていると、奇妙で不気味な事件の真相に引きずり込まれていくのが魅力の作品です。

見事に計算された伏線の回収やラストに向かって一気にどんでん返しが訪れる構成にはホント驚かされました。

なのでこの作品はまず、ギャグタッチのSF作品くらいに捉えて予備知識なしで読むことをオススメします。

あらすじ

では簡単なあらすじ。

第1話は、少年3人が必死の思いでエロ本を探すというバカバカしくも本人たちはいたってマジメなほのぼのストーリーから始まります。

どう見ても冴えない男子中学生3人。

男子中学生3人組

そんな3人がやっとエロ本を手に入れた瞬間、3人のうちの1人である「アリオ」の姉「キリエ」に見つかってしまうことから3人の運命は大きく変化し始めます。

キリエ発見

このアリオとキリエには衝撃の真実が隠されているなんて、この段階で誰が思うでしょうか?(笑)

第2話以降では、ロボット、人口生命体「フェアリー」などが日常に存在するSFっぽさもありながら、奇妙で笑えるショートストーリーが展開されていきます。

そして終盤からは人口生命体の倫理的な賛否を問う人物たちの殺人事件をきっかけにアリオとキリエの真実が判明していきます。

正直、中盤まで笑いながら軽い気持ちで読んでいましたがラストを読み終えた段階では真顔になっていました(笑)

以降、ネタバレを含む『外天楼』の感想と考察なので、まだ読んでいない方はまず本作を読むことをおすすめします。

【ネタバレ有】実際に読んだ感想と考察

では早速、実際に元漫喫店員の私が『外天楼』を読んだ感想と考察です。

後味の悪さは否めませんが、ギャグとシリアスの絶妙な調和とラストに向かって一気に真実が加速していく感覚は傑作です!!

蓋を開けてみれば、アリオの姉「キリエ」に魅了された人間たちが巻き起こした切なくて残酷な結末。

エロ本探しをキッカケに「キリエ」に出会い、エロ・カースト最下級からエロを原動力にキリエの真実に辿り着く「芹沢」。

そして父親までもがキリエに陶酔して、アリオの悲劇を生み出す始末。

アリオ達をエロ・カーストの最下級と評したキリエ自身はそのカーストの最上級に君臨していたに違いない。

そしてラストに見せるキリエの醜い姿。

正直、誰が正しくて何が間違っているのか自分でもわからなくなりました。

事実や価値観が一転、二転、三転…と繰り返しひっくり返される感覚は、増改築を繰り返した「外天楼」同様に迷宮のように複雑です。

それでいて、所々にバカげたギャグを違和感なく盛り込むあたりは流石といった感じです。

自分の価値観が脆くて信用ならないものであることに至る所で気が付き、そこが笑いのオチになっている点がラストの結末含めて秀逸だと感じました。

そして、中盤以降に意識させられる「ロボット・人工生命が持つ感情」について。

第3話のラストにて、「欲や妬みのような負の感情は問題なく機能しているというのに…」という芹沢のセリフ。

しかし、すべての真実を知ったアリオに対して「ごめんね」と謝るキリエ。

さらには行き場のない怒りや混乱で父を殺すアリオ。

一方で感情がないという理由でロボットやフェアリーを性的に利用することを擁護する人間たち。

キリエという存在に執着して人工生命を探求する芹沢と鬼口。

実際、この作品「外天楼」を読むと実は登場人物全員ロボットって設定なんじゃないかとさえ思ってしまいます。

価値観なんてものは存在せずに、各々が組み込まれた役割を遂行しているだけなのではないかと感じます。

しかし、実際には人工生命であるキリエと人間と人工生命のハーフであるアリオは非常に人間味あふれる生き方が描かれています。

一方人工生命を研究する側の鬼口や芹沢などは人間であるのに、目的のために倫理を犯します。

果たして、人間と人工生命の違いとは。と深く考えさせられます。

まさか、冒頭でエロ本を探す男子中学生のギャグ漫画がラストにこんな考えさせられる展開になるとは思ってもいませんでした(笑)

ぜひ、あなたも外天楼に迷い込んでみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、『それでも町は廻っている』でおなじみの石黒正数さんの短編漫画『外天楼』を紹介しました。

強いてカテゴライズするなら「SFギャグミステリー」くらいしか思い浮かびませんが、くだらないギャグストーリーがラストに向かってシリアスな展開に収束していく感じは圧巻です。

ホントにおすすめの漫画なのでぜひ読んでみてください。

Point

◆エロ本を探す男子中学生のお話からラストは衝撃の展開へ
◆読者の価値観や予想を根底から覆す構成
◆読み返すたびに新たな発見がある

「このマンガがすごい!2019」オトコ編1位を獲得した石黒正数「天国大魔境」が衝撃的な面白さ!!
「外天楼」がハマった方なら絶対に読むべき1冊!!

【本作同様に全1巻で完結するオススメ漫画を元漫喫店員の私が紹介しています!】

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以上、ご精読ありがとうございました。

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