【書評】『マネーの公理』賭けて勝つ極意が集約された1冊!何度も読み返すべき名著

Book

こんにちは。
そろそろ真面目に資産運用とか考え出したsasaki(@sasaki_holiday)です。

今回ご紹介する1冊はマックス・ギュンター『マネーの公理』です。

この本の評判はちょくちょく聞いていたのですが、今まで本格的に自分のお金を投資するという機会もなかったためスルーしていました。

しかし、社会人生活も5年が過ぎてある程度まとまったお金ができたことで投資というものを考え始めました。

そこで以前から噂は聞いていた名著『マネーの公理』を読んでみることに。

結論から言うと素晴らしい1冊!

ただ、先に言っておくとこの本は決して投資のテクニックなどを書いた本ではありません。

これから投資を始めるという人間がお金とどう向き合うべきかが12の公理で説明されています。

正直、投資をする人間なら年に1回は読み返すべきだと思います。

お金を増やすということに関して必要なこと、逆に不要なことが実例を交えながら的確に書いてあります。

というわけで今回は『マネーの公理』を実際に読んでみた感想は感じたことを書いていきます。

これから投資を考えている方、既に株式の売買等をしているが自分の投資方法に自信が無い方は絶対に読んでおくべき1冊です!

リスクに立ち向かう心構え

まず、この本の最大の特徴は冒頭でキッパリと言い切っているように、「投資ではなく投機で勝つための本」ということです。

つまり言い換えると「賭けに勝つための本」ということ。

よく耳にする「投資」と「投機」という似ているようで似ていない2つの言葉。

銀行や保険の営業マンが「良い投資がありますよ」と勧誘することはあっても、あまり「良い投機がありますよ」とは言わないですよね(笑)

一般的に投機は投資に比べてよりギャンブル性が高いイメージがあります。

しかし、この本ではあえて「投機」ということを強調しています。

当然多くの人間はリスクを回避して安全に暮らすことを選択するでしょう。

ただ本書では以下のようにリスクを受け入れることこそ勝つための前提であると書いています。

人生を生きる賢明な方法はリスクを回避することではなく、自らをあえてリスクにさらすことであるという結論に達した。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.127-128)..Kindle版.から引用

では、そんなリスクをとって賭けに勝つために何が必要なのか。という問いを12の公理で説明していくのがこの本です。

公理は、より多くのお金を得るためにリスクをとって賭けをする、あらゆる状況に応用できる。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.111)..Kindle版.から引用

なぜ、多くの人間が賭けに勝てないのか

賭けで勝てない人間が陥る罠とは何なのか。

株式市場だと「利確」「損切り」にあたる、勝ちと負けのタイミングを決断する点において人間の強欲や執着が悪さをして最終的に賭けで負けると本書では書いている。

利確のタイミングについては、以下のように説明している。

ピークがわからないなら、ピークがまだ先だと考えるのではなく、近いと考えなければいけない。利益を確定して、立ち去るのだ。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.665-666)..Kindle版.から引用

また、損切りについては以下のように説明している。

第三の公理は、損を納得して受け入れることを学ぶことが、絶対に必要な投機技術であると言っている。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.1122-1123)..Kindle版.から引用

つまり、常に早過ぎるくらいで利確して損を受け入れ逃げる術こそが投機で勝つための技術であると。

まぁ、これだけ聞くと一般的な内容だとは思います。

じゃあ、なぜ人間は強欲や執着に惑わされて正しいタイミングで利確をできなかったり、損切りを出来ないのかということについて本書では実例や実際の投資家の言葉などを使って説明している。

また、どうしたらそういった困難な状況でも正しい判断が出来るようになるのかという部分についても著者の実体験などから非常に具体的に書かれているのがとてもためになる。

意味のある直観と無意味な直観について

本書では、一般的に軽視されがちな「直観」についてそれが信頼に値する場合もあると説明しています。

直観と言うと単なる思いつきでリスクを取るために信用できる情報にはなり得ないというのが普通だと思います。

しかし、本書ではその直感が自身に蓄積されたデータから発せられたものであれば信用するのもアリだと言っています。

そしてその見分け方が具体的に書かれています。

直観を感じたら、最初にすべきことは、その直観を生み出すほど巨大なデータの図書館が、あなたの心の中に存在しているかどうか、自問することである。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.2028-2029)..Kindle版.から引用

自分が起こってほしいことが起こるという直観に対しては、常に懐疑的であれというものだ。

マックスギュンター.マネーの公理(Kindleの位置No.2073)..Kindle版.から引用

前者はその直感が自身の中にある信頼に値する直観であるかを見極め、後者は疑うべき直観についての心構えである。

このように、直観というある種スピリチュアルな経験が意味のあるものなのか、無意味であるのかはある程度判定が可能で、場合によっては利益をもたらす可能性もあるとのこと。

正直、この説が真に正しいかは私個人としては少々疑問を感じるものの、一般的にないがしろにされる直観をこうやって説明しているのは画期的思えた。

というのも、投機・ギャンブルという性質上、絶対はない場面において無意味な直観に頼ってしまう場面は誰しもあるのではないでしょうか?

そんな場面で根拠のない直観とある程度意味のある直観を分別すべきというのは、直観に対して懐疑的である心構えとしては非常に有益に思える。

直観において真に恐ろしい結果を招くのは直観の過信であって、懐疑的になることの重要性がこの説では説明されていると捉えると、とても重要なことに思えた。

『マネーの公理』を読んでみた感想

というわけで今回は『マネーの公理』を読んでみました。

冒頭でも述べたように、実際にこの本を読んでみてなぜ名著と呼ばれているのかよくわかりました。

そして、お金とそのリスクについて考え、決断する場面では定期的に読むべき1冊だと思えます。

「賭けに勝つ」というシンプルなことをなぜ多くの人間は忌み嫌い、そして負けるのかということについて考えさせられると同時に、その難しさも感じました。

ちょうど、夏のボーナスの使い道に困っていたところなので私もリスクを取ってみようと思います(笑)

以上、ご精読ありがとうございました。

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