【書評】『世界史とつなげて学べ超日本史』大人になった今だから読みたい1冊

Book

こんにちは。
受験科目が政治経済だったので、日本史・世界史にノータッチなsasaki(@sasaki_holiday)です。です。

みなさん、歴史って得意ですか?

私は大苦手です。っていうかキライ。。。

年号、人名、出来事、これが結びつかない…

だから、断片的に記憶している部分はあっても体系的に全く身についていないわけです。

そんな超絶歴史に苦手意識MAXの私でもスッと理解できて、かつ日本史の見方が大きく変わった1冊『世界史とつなげて学べ超日本史』をご紹介いたします。

この本は予備校講師として世界史を教えている茂木誠さんの著書です。

ここで注目すべきことは著者の茂木誠さんが『世界史講師』ということです。

つまり、世界史講師が書いた日本史の本なんです。

一般的に学校では日本史と世界史って別科目じゃないですか。

でも、この本を読むと日本史と世界史は切っても切れない関係にあることに気が付きます。

そして、世界史と日本史を紐づけて歴史の背景を学んでいくと今まで腑に落ちなかった様々な理由がくっきりと浮かび上がってきます。

この本はタイトルにもある通り、世界史とつなげて日本史を学ぶことで、まさしく超日本史を学べる1冊です。

現在、日本史に苦手意識を持っている学生だけでなく、かつて日本史を挫折した大人にこそ読んでもらいたい1冊でした。

では、実際に読んでみた感想とか感じたことを書いていきます。

日本史のなぜ?が世界情勢から見えてくる

同書冒頭は以下のような問から始まります。

『日本人はどこからきたのか?』

人類の期起源はアフリカと言われています。

その人類の始まりがどのような経緯でこの日本という土地に定住して、現在につながる文化を育んできたのか。

そこから見えてくるのは、日本人の気質、個性に大きく影響を与えるようなグローバルな出来事でした。

土着の縄文人と大陸から渡来した弥生人の混血が現代日本人を日本人たらしめる

みなさんも「縄文人」と「弥生人」という言葉は聞いたことありますよね。

DNAのルーツをたどると、氷河時代に地続きだったシベリアから渡ってきた縄文人と大陸から渡来した「弥生人」の混血が現在の日本人ということが証明されました。

縄文人と大陸から渡来した弥生人の混血が、現代の日本人であるという「混血説」が、DNA研究によって証明されたわけです。

茂木誠.世界史とつなげて学べ超日本史日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史(Kindleの位置No.381-382).KADOKAWA/中経出版.Kindle版.から引用

では、大陸から渡来した弥生人が先住していた縄文人を武力によって支配した結果、現代日本人が誕生したのでしょうか?

いえ、違います。

同書によると、あくまで平和的にお互いを排斥することなく共存していたようです。

石器時代に北方から渡来した人々が豊かな縄文文化を育んだうえに、鉄器をもった弥生人が移民というかたちで徐々に浸透していき、お互いを排斥するのではなく、融和して日本人を形成したと思われます。

茂木誠.世界史とつなげて学べ超日本史日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史(Kindleの位置No.449-451).KADOKAWA/中経出版.Kindle版.から引用

そしてこの歴史こそが和を尊重しつつも外来文化を柔軟に受け入れる現代の日本人の気質に影響しているとのこと

へぇー、納得!って感じですよね。

なんとなく、日本って島国という地理的な背景からも完全に単一の民族だと思っていましたがルーツをさかのぼっていくとこんな歴史があったことに驚きました。

同時に、現代のDNA分野の発展に驚きました。

日本のグローバル化と国風文化

そして時代は進み大陸との交流が始まると日本のグローバル化は加速していきます。

みなさんも歴史の教科書など聞いたことはあるかもしれない「遣唐使」とか「遣隋使」。

大昔から日本近海の海流を利用して命がけの国際交流は盛んにおこなわれてきました。

その結果、海を越えた大陸との政治的駆け引きや技術の伝来、貿易なども当時から行われていました。

しかも驚くべきことに、この時代にはすでに民間の商人が貿易を営んでいたというからビックリ!

正直、この時代に海を越えて大陸に渡る日本人は国の重要人物に限られていたと思っていました。

しかし、現在の中国や朝鮮で巻き起こった動乱等の理由から遣唐使の派遣を取りやめます。

すると、大陸から伝わった漢字や文化が日本国内で独自の発展を遂げて「かな文字」など日本独自の文化が形成されます。

つまり、これが「国風文化」です。

積極的な国際交流をすることによって優れた技術や文化を受容する一方で、それを日本独自の文化に昇華させるという部分は、現代の日本にも通じる部分があると思います。

他国に攻め込まれず鎖国が可能だった理由

現代の日本の文化にも大きな影響を与えている江戸文化。

これは鎖国というシステムによるものが大きいことは確かです。

とは言え、なぜ他国から攻め込まれずこのようなことが可能だったのでしょうか?

一番の理由は「日本の圧倒的な軍事力」に起因していました。

のちに「鎖国」と呼ばれるこの政策は、外国船の襲来時にはいつでも大軍を動員できる圧倒的な軍事力が背景にあることで、可能となったのです。

茂木誠.世界史とつなげて学べ超日本史日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史(Kindleの位置No.3736-3737).KADOKAWA/中経出版.Kindle版.から引用

大陸から輸入した軍事技術の国産化、日本の地理的な強みなどが相まって西欧諸国に日本侵略は不可能と思わせたことが一番の理由でした。

そして日本独自の文化を形成しつつも西欧からの科学技術などを受け入れるいわばハイブリッド的なシステムが完成しました。

オランダ語の書物の翻訳(蘭学)は、西洋の科学技術を日本に伝えました。東南アジア諸国のように西欧諸国に飲み込まれるのでもなく、中国・朝鮮のように西欧文明を拒絶するのでもない。オランダ人がもたらす情報のなかで有益なものを選別し、ゆっくり消化していくことができたという点で、「鎖国」は絶妙なシステムだったと思います。

茂木誠.世界史とつなげて学べ超日本史日本人を覚醒させる教科書が教えない歴史(Kindleの位置No.3740-3743).KADOKAWA/中経出版.Kindle版.から引用

もはや日本史と世界史は同一科目でいいんじゃない?と思わせる1冊

でね、この本を読んでみた一番の感想としては、「そもそも日本史・世界史って区別すること自体ナンセンス」ってことでした。

だって当然ですよね。

世界の中の日本であることは今も昔も変わらないのに、その中の部分を切り取って学んでも本質が見えてこないわけで。

学生時代、日本史を学んでいると度々「なんでこんなことしたんだろう??」って疑問がよく浮かびました。

結果的に年号と出来事を個別に暗記するだけでその背景や理由が不明瞭なままだから頭に定着しない。

さらにそれが続くと日本史という勉強自体がキライになって挫折みたいな(笑)

でもこの本を読むとそういった脈絡のなかった歴史的出来事が一気につながる感覚がありました。

日本の出来事は世界の出来事であると同時に世界の出来事も日本の出来事であることが良くわかります。

だからこそ、日本史に挫折した経験のある方に読んでほしい1冊だと思います!

『世界史とつなげて学べ超日本史』を読んでみたまとめ

というわけで今回は、日本史が大苦手な私が『世界史とつなげて学べ超日本史』を読んでみて感じたことなどを書いてみました。

実際、この本を読んでみると学生時代にあんなにも苦痛だった日本史の授業が愛おしくも思えてきました(笑)

正直、もっと早くこういった本を読んでいればとも思います。

しかし、一度は暗記地獄に苦しみ日本史を敬遠してしまった大人にこそ読んでもらいたい1冊です。

私のように、ほぼ日本史の知識がない人間でも読むことが出来る内容であり、これから日本史を学び直そうかなと思う導入には最適な1冊だと思います。

ぜひ、日本史を諦めてしまったけど改めて学びたい方は読んでみることをおすすめします。

以上、ご精読ありがとうございました。

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